売切の、ランプ(第二稿)
どの列が先に空いたかで、その場所の一週間を読む

イソベケイタ(36歳・自販機補充員14年)

端末を開くと、担当の機械の売切が列ごとに並んでいる。きのうのうちに通知は来ている。十一番台、第三コラム、〇時四十分に売切。私はその一行で、扉を開ける前に今日の回り順を決める。客の顔は見ない。先に空いた列の番号だけで、その場所の昨日を読む。

場所が変われば、先に空く列が変わる。工事現場の隣の十一番台は、いつもスポーツドリンクの列から落ちる。第三コラム、青いラベル。汗の仕事だ。駅前のオフィス棟は無糖のブラックが先に消える。病院前の機械は水とお茶で、甘いミルクティーの列は週に二本しか減らない。同じ商品を同じ本数だけ積んでも、減り方はその土地の名前を持っている。

全列が売切になった機械は、開ける前に半分は分かっている。通知の時刻が教えてくれるからだ。三日かけて順に落ちたのなら、ただ補充が追いつかなかっただけ。だが一晩で全列が同時に空いたなら、何かがあった。先月の十七番台がそうだった。〇時から二時のあいだに七列が立てつづけに売切。開けてみるまでもなく、近くの神社の祭りだと見当がついた。翌朝に積み増しの本数を端末で増やしてから、その台を一番に回った。

補充には順番がある。コラムには本数の上限があって、先に空く列ほど厚く積む。三週間で六本しか減らない微糖は抜いて、隣の十二番台でよく落ちている無糖に入れ替える。売切の通知が増えた台は回る回数を足し、減らない台は間引く。ルートは固定ではない。前の晩に立った売切の並びを見て、毎朝組み直す。

季節の変わり目は、列が読めなくなる。九月の終わり、暑さがぶり返した週があった。温かいに切り替えたばかりの第五コラムが一本も落ちず、外したはずの冷たい列だけが二日で売り切れていた。切り替えが一週早かった。翌週の本数が、それだけを告げていた。

売切を放っておくと、本数が痩せる。去年、隣にもう一台ある四番台で、補充を二日空けたことがある。戻ったときには売切ではなく、よく出ていた無糖が日に四十本から二十八本に落ちていた。翌週は二十二本。客は数えていないが、当てにならない機械を一度覚えると、隣を押す。本数だけがそれを私に教える。それからその台は、空くより前に回している。

客の顔は、やはり見えない。見えるのは、先に空いた列の番号だけだ。十一番台の青いラベル、病院前で動かない甘い列、九月にぶり返した冷たい二日。会わない人たちの一週間が、毎朝、売切の通知になって私の端末に届く。私は順番を組み替え、本数を足し、空く前に回る。それが、私の返事だ。

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このページの記事はAI(ChatGPT)を用いて作成・編集されています。第一稿への辛口レビューを経て書き直した第二稿です。