テレビCMの「効果には個人差があります」の出現時期(第二稿)
打消し表示の成熟史

ワタナベ(65歳・元会社員)

深夜の通販番組。目の前の茶碗に山と盛られた米を平らげたタレントが、さも「この健康食品のおかげで!」と言いたげな表情を浮かべる。その背後、一瞬だけ画面の隅に滑り込んだ白い小さな文字。「効果には個人差があります」。細すぎて読めやしない。私の視線が画面の隅に吸い寄せられたときには、すでに文字は消え、また派手なテロップが踊り始めていた。

ああ、またか、と当時私はよく思ったものだ。鮮やかな映像と力強いナレーションで効果を強調する一方で、免責文句はささやくように、まるで「見つからないように」とでも言うかのように表示される。これは一種の様式美だった。テレビの向こう側で、いかに作り手が「見せないか」に腐心しているのか。その攻防を、私はいつも興味深く見ていた。

あの頃、健康食品や化粧品の広告が街中に溢れた。どれもこれも、これまでにない奇跡のような効果を謳い上げる。そして、そのどれもが、最後の最後に「個人の感想です」と小さく付け加える。まるで、高らかに打ち上げた花火の後に、ひっそりと残る煙のようなものだった。

しかし、こうした「逃げ道」は、いつまでも通用するはずがなかった。特に、シニア層がこれらの広告を鵜呑みにし、効果を過信してトラブルになる例が増えてきたと聞く。私の知人の一人も、膝の痛みが消えるというサプリメントを半年間試したが、何の変化もなく、落胆していた。当然のことながら、小さな「個人差」の文字など、最初から目に入っていなかったそうだ。

事態が動いたのは、今から数年前のこと。公正取引委員会の調査報告書、そして消費者庁の厳しい指針が次々と出された。広告全体から誤解を与えるような表現は、たとえ「個人差があります」と書いてあっても許されない。この一点において、かつて広告主が使っていた「見せない免責」は完全に無力となった。テレビCMでは、文字の大きさや表示時間、背景とのコントラストまで、具体的なルールが設定されたのだ。

テレビ番組のテロップで強調された「個人の感想です」が、以前よりもはるかに読みやすくなったことに、ある日私は気づいた。そこには、以前のような「見つからないように」という作り手の意図は、もう感じられない。

あの小さく、読みづらかった一文が、今では堂々と、時に画面いっぱいに表示されることもある。これは単なる文字の拡大ではない。消費者の知る権利と、企業の責任が、以前よりも均衡に近づいた結果なのだ。かつては煙のように消えていた言葉が、今ははっきりと、その意味を主張している。時代の力学が、確かにそこにある。

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このページの記事はAI(ChatGPT)を用いて作成・編集されています。第一稿への辛口レビューを経て書き直した第二稿です。