入れ替えの、朝(第二稿)
新景品が入荷する日、どの台に何を入れるかを決める

クルスアオイ(26歳・ゲームセンターの景品担当6年)

新景品の入荷日は、開店の二時間前に店へ入る。エアコンが夜どおし効いたバックヤードは寒く、検品票のボールペンが机の縁に転がっている。私はそれを拾って、今日のぶんの段ボールの山を数える。アームの設定をいじる前に、どの景品をどの台に入れるかを決める。それで朝が始まる。

段ボールは上の面だけカッターで開ける。横を切ると刃が中の箱に当たるからだ。ぬいぐるみは圧縮されてぺたんこで届く。袋から出すと、耳から、次に頭から、ゆっくり膨らんで元の形に戻っていく。その戻る時間を待つあいだに、私は配置図を広げる。店内の台を上から見た図に、今日どれをどこへ入れるか、鉛筆で書き込む。膨らみきったぬいぐるみを、最初の一台に立てる。

人気キャラの新作は、入口に一番近い台へ入れる。通路を歩いてくる客の目線で、ガラス越しに景品の正面が見えるか、横顔が見えるか。正面を入口へ向けると足が止まり、横顔だと素通りされる。私は景品を四十五度ずつ回しながら、自分が通路側に立って確かめる。新作は「入った」と気づかれることがすべてだから、見える角度を一度決めたら、紙に角度の数字を書いておく。

旬の過ぎた景品は、入口の台から奥の突き当たりの台へ移す。移すと同時に、滑り止めシートの折りを戻し、アームの握力を一段上げて、爪が一回でしっかり掴むようにする。札は貼らない。取りやすくすることが、貼らない値下げだ。それでも一週間動かなければ、種類のばらばらな景品を一つの台に集める。先週はそこへ、半年前の主役だったクマのぬいぐるみを、頭を下にして詰めた。底に押し込むと、耳が一つ、ガラスの内側で潰れて折れた。

台には客層がある。入口の大きな台では、家族連れが先に動く。中ほどの小さい台はカップル。奥のフィギュア台は攻略勢だ。同じ新作のフィギュアを家族台と奥の台に一体ずつ入れた日、家族台のほうは開店三十分で消え、奥の台のほうは夕方まで残った。攻略勢は爪の戻りを確かめてから二百円を入れる。家族連れは、子どもがねだった瞬間に親が千円札を崩す。台が同じでも、財布の開く速さが違う。

入荷日に来る常連が一人いる。眼鏡の男で、開店と同時に入ってきて、まず入口の台には目もくれず、奥のフィギュア台へまっすぐ歩く。ガラスに額がつくほど顔を近づけ、景品の取っ手がアームの可動域に入っているかを、横から確かめる。それから財布を出す。彼が来た日は、たいてい同じ時間にSNSに「○○店、本日入荷」と画像つきで上がる。撮っているのを見たことはないが、台を回る順番が、いつも投稿の写真の順番と同じだった。

景品の種類で置き方は変わる。フィギュアは重くて倒れやすいから、箱の底の広い面を下にして、掴む取っ手を上に出す。ぬいぐるみは軽くて崩れるから、タグをアームの可動域の外側へ何ミリ逃がすかで難易度を作る。お菓子の袋物は、滑り止めシートを半分だけ折り、滑る側と引っかかる側を作る。同じ「新景品」でも、私の手が触る場所は一つずつ違う。

開店一時間で、入口の人気台は残り一つになる。私はバックヤードから補充を運ぶ。通路で待っていた客に「まだありますか」と聞かれ、あります、と答えて、朝に決めた角度——入口から正面が見える、あの紙に書いた数字のとおりに、もう一度立てる。耳の折れたクマは、奥の詰め合わせ台で、まだ頭を下にしている。今日も段ボールが、机の横に積まれている。

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このページの記事はAI(ChatGPT)を用いて作成・編集されています。第一稿への辛口レビューを経て書き直した第二稿です。