診察室のカーテンの開け閉めの作法(第二稿)
——三つの病院、三つの作法

フジワラレン(研究助手)

同じ年に、私は三つの病院で腹部の触診を受けた。三月の大学保健センター、六月の家の近くの内科クリニック、十月の総合病院の消化器外来。診察室のカーテンの作法が、三箇所とも違った。

大学保健センターの三月。診察台の脇に薄い水色のカーテンが垂れていた。校医の佐藤先生が「ベッドに横になってください、カーテンは閉めて結構です」と言った。私は自分でカーテンを引いて、シャツの裾をめくった。先生はノックの音をして「失礼します」と言って入ってきた。患者がカーテンを引く方式。私は二回目以降、流れを覚えた。

家の近くの内科クリニックの六月。診察台のカーテンは開いたままだった。中年の女性医師が「上、めくれますか」とだけ言った。カーテンには触れなかった。診察室に他の患者はいなかったが、診察室の入り口のドアも半分開いていた。プライバシーの仕切りという発想が、ここでは弱い、というより別の論理で動いている。私は何も言わずに、シャツをめくった。

総合病院の消化器外来の十月。診察室の中央に立派なグリーンのカーテンレールが弧を描いていた。看護師がカーテンを引いて、私を中に入れた。「お洋服、上、脱いでベッドに横になってお待ちください」と言って、看護師は外に出てカーテンを閉めた。私はシャツを脱いで、ベッドに横になった。三分待った。ノックがあった。「先生入ります」と男性の声。カーテンが看護師の手で開かれて、医師が入ってきた。閉める時も、看護師がやった。患者は脱ぐ作業に専念する方式。

三つの作法のうち、どれが正解か、私には分からない。たぶん正解はない。それぞれの病院の規模、医師と看護師の人数、診察室の構造、患者の年代の偏り、その日の混み具合が、カーテンの動かし方を別々に決めている。

触診そのものは、三回とも同じだった。お腹を押される。深く息を吸って、ゆっくり吐く。痛みのある場所と、ない場所が、医師の手によって確認される。カーテンの作法は、その触診を取り囲む儀礼であって、触診そのものではない。それでも、私は三つのカーテンの動きを、はっきりと覚えている。

今年の三月、また大学保健センターで同じ検査を受ける予定だ。私は自分でカーテンを引く。佐藤先生はノックをして「失礼します」と言って入ってくる。たぶん、私は流れを忘れていない。

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このページの記事はAIを用いて作成・編集されています。第一稿(Gemini)への辛口レビュー(Codex)を経て、第二稿はClaude が手書きで再構築しました。改稿の主眼は、三つの病院の具体(大学保健センター・内科クリニック・総合病院)、カーテンの色(水色/開いたまま/グリーン)、医師と看護師の動作の違い、で「作法」の三層を観察として描くことに置きました。