閉園後の、点呼(第二稿)
数が合うまでの、数分について

アオヤギレン(34歳・動物園飼育員12年)

最後の客が出口へ消えると、収容が始まる。担当のサルは十八頭。寝室に一頭ずつ入れ、入った数を数える。チェック表に印が十八個並んで、はじめて帰れる。数えることが、私の一日の終わりの仕事だ。

止まっているものは数えやすい。動いているものは数えにくい。サル山の十八頭は、こちらが数えているあいだも岩の陰へ回り、また出てくる。さっき数えた一頭を、もう一度数える。これを二度数えという。逆に、二頭が一頭に重なって、数え漏れる。多くても少なくても、数は合わない。だから目で数えるのをやめて、扉で数える。

収容扉を開け、餌を寝室の奥へ置いて誘う。一頭入れば、扉を閉め、表の升目に印をつける。鍵がかかる音が岩山に短く返ってくる。入る、閉める、書く。入る、閉める、書く。動いているものを止めて、一頭ずつ升目に変えていく。十八の升目が埋まれば、十八頭そこにいる。目は曇るが、升目は曇らない。

収容の順番は、私が決めていない。強い個体から先に入って、奥の藁の乾いたところを取る。下のほうの個体は、上が入りきるまで扉の手前で待つ。印は一番から十八番まで、毎晩ほぼ同じ順で並ぶ。点呼表の上から三つ目あたりまでが、この群れの上の序列だ。私は印をつけながら、彼らが決めた順番を、ただ写している。

十七番目までは、たいてい二十分で埋まる。十八番目が、毎晩いちばん遅い。三歳の雌で、餌で誘うと扉の桟まで来て、前足で桟を一度だけ叩き、それから岩へ戻る。叩いて、戻る。叩いて、戻る。私はその回数を表の隅に正の字で書いている。少ない夜で二回、多い夜で五回。五回叩いた夜は、たいてい翌朝、その個体の残餌が増えている。

その夜は、桟を叩く音がいつまでも続いた。正の字が五を超え、六、七。十七個まで印が並び、十八個目が空いたまま、表の最後の升目が白い。最後の一頭が、岩の陰に座って動かない。私は誘うのをやめて、待った。

待っているあいだは、何も進まない。升目は白いまま。消灯のスイッチには手をかけられない。夜間警備への引き継ぎ簿の「異状」の欄を、まだ埋められない。誰もいない岩山に立って、私は白い一マスと、岩の陰の黒い背中を、交互に見ている。鍵束が、手のなかで一度だけ鳴った。

岩の陰から、三歳の雌が、ゆっくり出てきた。桟を叩かずに、まっすぐ入った。扉を閉め、十八個目の升目に印をつける。十八。消灯する。引き継ぎ簿の異状の欄に、その夜だけ「最終収容、通常より十四分遅延」と書いた。挨拶は、しない。背を向けて、出口へ歩く。

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このページの記事はAI(ChatGPT)を用いて作成・編集されています。第一稿への辛口レビューを経て書き直した第二稿です。