消えた職場用語の考古学
「腰掛けOL」「お茶汲み」「肩叩き」

ワタナベ(65歳・元会社員)

定年を迎え、はや五年。職場の風景を振り返ると、記憶の中に奇妙な「遺物」を見つけることがある。当時ごく普通に使われたのに、いつの間にか耳にしなくなった言葉たちだ。まるで、時代の地層に埋もれて消えた古代都市のようだ。今日はそんな、昭和から平成初期の職場用語を、現役時代の記憶から掘り起こしてみようと思う。

まず「腰掛けOL」。結婚までの数年間だけ会社に勤める女性を指した言葉だ。当時の女性社員は「寿退社」が前提で、私が入社した頃には、まだその意識が色濃く残っていた。だが、女性の社会進出が進み、キャリアを志向する女性が増えるにつれて、この言葉は自然と使われなくなった。結婚しても働き続けることが当たり前になり、「腰掛け」は過去の遺物のように感じられる。平成の中頃にはほとんど聞かなくなったように思う。

次に「お茶汲み」。来客時にお茶を出す仕事、あるいはそれを専ら担当する女性社員の役割を指した。入社したばかりの頃は、若手女性社員の重要な「お役目」とされていた。男性社員はデスク、女性社員は急須と湯呑みを手にフロアを歩く。そんな光景も今は昔だ。給湯室整備、セルフサービス普及、そして何より男女の役割分担意識が変わった。来客対応も部署の担当者が行うのが一般的になった。この言葉が消えたのは、男女雇用機会均等法の浸透と、合理化の波が大きかったのではないだろうか。

そして「肩叩き」。会社が社員に退職を促す際の隠語だった。オイルショックやバブル崩壊後のリストラ期、上司が部下を会議室に呼び出し、「君の席はもうない」と遠回しに告げる場面を何度か目にした。直截的な表現を避け、人事を円滑に進めようとする会社の苦肉の策だったのかもしれない。だが、コンプライアンス意識の高まりや、早期退職優遇制度の整備につれ、曖昧な表現は影を潜めた。法的な側面が重視される時代においては、企業も個人も、回りくどい言い方を避けるようになったのだろう。

これらの言葉が消えていった背景には、社会全体の価値観の変化、経済状況、テクノロジーの進歩が複雑に絡み合っている。言葉は生きており、時代を映す鏡だとはよく言ったものだ。消えた言葉を辿ることは、私が生きてきた昭和と平成の職場の変遷を辿ることにもなる。

振り返れば、私が現役だった頃は、言葉の裏に隠された意味を汲み取ることが、人間関係を円滑にする上で重要だとされた側面もあった。しかし、現代はより直接的で明確なコミュニケーションが求められる時代へと変わった。どちらが良い悪いではないが、かつての言葉が持っていた独特の「含み」のようなものは、失われつつあるのかもしれない。少し寂しい気もするが、これも時代の流れというものだろう。

——補記:この第一稿は辛口レビューを受け、第二稿で書き直しました。第一稿・レビュー・第二稿を並置して、改稿の過程を記録しています。

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このページの記事はAI(ChatGPT)を用いて作成・編集されています。