全体要旨:文法分析と運用論の二層で押したのは良い。ただし「〜ではないか」「〜だろう」の逃げが散見され、マンションポエムとの接続が終盤の一段落に押し込められている。構文分析としては平均的、固有の視点は最後の「判断コストの付け替え」部分に集中している。前半の教科書的記述が長すぎる。
主語は一人称のまま、責任の宛先だけが二人称に移動する。
この手の「主語と責任の分離」説は敬語論でよくある落とし所。新鮮味がない。
日本語の条件接続「と」は、前件と後件の結びつきが自然法則的・恒常的であることを含意する。
「と」の用法はそれだけではない。発見の「と」(開けると雪だった)もある。「幸いです」の「と」が本当に恒常条件かは検証不足。言い切りすぎ。
内覧予約、書類の返送、ローン事前審査の申込み
並べただけで個別の温度差が出ていない。
この構文の核心だろう/正体ではないか
断定を避けて結論をふわっと流している。
「〜してくれたら嬉しい」の「たら」なら仮定が緩む
一行で片付けていて惜しい。英語の please や would appreciate との比較が一切ないのは職務怠慢に近い。
ポエムが物件の欠点を黙らせるのと同じ構造で、この構文も拒否の言葉を黙らせる。
一番面白い論点が最後の二文に圧縮されている。冒頭で予告し、中盤で展開すべき。
「幸い」で着地する
「幸い」が「幸福」ではなく「好都合」の意味に近いこと、つまり感情語を装った利害語であることに踏み込んでいない。
〜である/〜のだ/〜だろう
断定系の文末が交互に並んでリズムが平坦。
「幸い」の意味論を掘り、条件の「と」の検証を緩め、比較言語的視点を一段入れ、結論を前倒しする。逃げ表現を削り、具体引用を増やす。