突風の、翌日(第二稿)
同じ側の骨が折れた傘が、店の前に並ぶ朝

オリグチハジメ(60歳・傘の修理職人38年)

突風の翌日は、シャッターを上げる前から、ガラス越しに列が見える。四人、五人。みな傘を一本ずつ下げて立っている。先頭の傘がいちばん濡れて重そうにしているのは、その人が朝いちばんに来て、まだ昨日の水を含んだままだからだ。私は鍵を回しながら、何本直すことになるかを、もう数えている。

台に並べて気づくのは、みな同じ側の骨が折れていることだ。右の三本、右の二本、右の一本。昨日は右からの風だった。骨の白く粉を噴いた折れ口が、街じゅうで同じ向きを指している。一本ずつは別の家から来た傘だが、折れた側だけが揃っている。揃っているということが、昨日の風の向きだ。

「差し方が悪かったんでしょうか」。先頭の男が言った。「風に勝てる差し方なんて、ありませんよ。畳むのが正解です」。男は笑った。傘は差すために持つのに、いちばん丈夫な使い方は差さないことだ。私の答えに、客はたいてい笑う。笑って、それでも明日もまた、風の日に傘を差す。

その男の傘は、折れた三本が連番ではなく、一本飛んでいた。一撃で隣り合って折れたのではない。畳んだまま二度、別々に叩かれた骨だ。一度目で家へ駆け込み、それでも足りずにもう一度出て、二度目をくらった。骨は嘘をつかない。私は受け取った傘の折れ口を順に押して、二度目のほうが新しいことを指で確かめた。

繁忙の日は、その場では本直しまで手が回らない。折れ骨に針金を一本添えて、とりあえず差せるようにし、番号札を渡す。「これで一週間はもちます。本直しはそのあとで」。針金は仮の骨だ。仮の骨のまま、客はまた雨のなかへ出ていく。男は四十一番の札を握って帰った。

店の帰りに駅前を通ると、ゴミ箱からビニール傘が何本も突き出ていた。骨の折れたまま、口を開けて突き刺さっている。同じ昨日の風に負けた傘だ。違うのは、こちらは番号札を握って戻ってこないことだけだ。ゴミ箱の傘と、四十一番の傘。どちらも右の骨を折っていた。

札の番号は、一週間かけて戻ってくる。三十八番、四十番、それから四十一番。針金を抜くと、骨は仮に支えられていた角度から、わずかに自分の側へ戻ろうとする。そこへ真鍮の継ぎ骨をかぶせ、当て金の上でかしめる。仮の骨を、本物の骨に換える。四十一番の傘は、二度目に折れた一本だけ、かしめ口が硬かった。

四十一番を直し終えると、台の上は空いた。突風から八日。列はもうない。私は最後の一本を畳んで、継いだ側を上にして立てかけた。右の骨だけが、ほんのわずか太い。同じ向きに太くなった骨が、棚に何十本も乾いている。私はそれを一本ずつ立てていく。立て終えて、店を閉める。明日は風のない予報だった。

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このページの記事はAI(ChatGPT)を用いて作成・編集されています。第一稿への辛口レビューを経て書き直した第二稿です。