「清潔感のある身だしなみ」って何センチ
——校則の曖昧さについて考えた話

タケウチソウタ

うちの学校の校則に、こういう一文がある。

「清潔感のある身だしなみを心がけること」

これ、ずっとモヤモヤしてた。

清潔感って、何?

わかる校則とわからない校則

校則には二種類ある。具体的なやつと、よくわからないやつ

たとえば「ツーブロック禁止」。これは具体的。ムカつくけど、わかる。ツーブロックかどうかは見ればわかる。刈り上げてるかどうか。はいかいいえか。判定できる。

「スカート丈は膝から上下5cm以内」。これも具体的。定規あてれば測れる。ムカつくけど。

問題は、もう一方のやつだ。

「清潔感のある身だしなみ」

「高校生らしい服装」

「華美でない装飾品」

……何?

「清潔感」って何センチ? 測れる? 定規あてられる? 無理だろ。

先生に聞いてみた

生活指導のヤマモト先生に聞いてみた。「先生、清潔感って具体的に何ですか」。

先生、一瞬止まった。

「えーと……まあ、見て不快じゃないっていうか……」

答えになってない。

「不快」って誰基準? 俺の髪型を不快に思う人もいれば、別に何とも思わない人もいるだろ。ヤマモト先生がセーフだと思っても、隣のクラスのサトウ先生はアウトって言うかもしれない。

先生も気まずそうに「まあ、常識的に考えてだな……」って言ったけど、その「常識」がわかんないから聞いてるんだよ

「高校生らしい服装」もそう。高校生が着てる時点で全部「高校生らしい」じゃん。高校生がピアスしてたら、それも高校生らしさの一つだろ。違うの?

変な大人に聞いてみた

ソノダさんにLINEした。「校則の『清潔感のある身だしなみ』って意味わかんないんですけど」って。

ソノダさんの返信。

「あー、それね。不動産広告の『閑静な住宅街』と同じ構造だよ」

また不動産の話かよ、と思ったけど、続きがあった。

「『閑静な住宅街』って、何デシベル以下なら閑静なのか誰も定義してないの。でも広告ではめちゃくちゃ使われてる。なんでだと思う?」

わかんない、って返したら。

定義が曖昧だから便利なの。使う側がそのときの都合で意味を変えられるから。駅から遠い物件は『閑静な住宅街』。古い物件は『落ち着いた佇まい』。不便を良い感じの言葉に変換してるわけ」

あ、と思った。

「清潔感のある身だしなみ」も同じだ。定義が曖昧だから、先生がそのときの気分で「セーフ」「アウト」を決められる。月曜は見逃してもらえた髪型が、金曜には注意される。ルールが曖昧なほうが、取り締まる側は便利なんだ。

「閑静な住宅街」=定義なし。売る側が都合よく使える
「清潔感のある身だしなみ」=定義なし。取り締まる側が都合よく使える

構造、完全に同じじゃん。

曖昧な言葉は武器になる

考えてみれば、曖昧な言葉って世の中にめちゃくちゃある。

「適切な対応をとる」。何が適切かは言わない。「総合的に判断する」。何を総合するかは言わない。「社会人としてふさわしい態度」。ふさわしさの基準は言わない。

全部、使う側が後から好きなように意味を決められるようにできてる。

ツーブロック禁止は具体的だから、反論できる。「これツーブロックじゃないです、サイドの長さはここです」って。でも「清潔感がない」って言われたら、反論できない。「清潔感あります」って言っても、「いや、ない」で終わり。測れないものには反論できない。

ソノダさんが言ってた。「具体的な数字を出すと反論されるから、わざと曖昧にするのは広告の基本テクニック」って。

校則も広告も、やってること同じなのかよ。

で、自分もやってた

今日、部活の後。

1年の後輩が俺の顔をじっと見て、言った。

「先輩、その髪型だいじょぶなんすか」

俺、反射的に答えてた。

清潔感あるから大丈夫

……。

いや待て。俺がさっきまで「何センチだよ」って突っ込んでた、あの曖昧な言葉。自分で使ってた。

しかも、めちゃくちゃ便利だった。「清潔感あるから」って言えば、具体的に何がどうセーフなのか説明しなくていい。後輩も「あ、そうすか」で納得する。

曖昧な言葉が便利だって、体でわかっちゃった。

さっきの俺=「清潔感って何だよ、曖昧すぎだろ」
今の俺=「清潔感あるから大丈夫」
経過時間=約3時間

曖昧な言葉を批判してた人間が、3時間で曖昧な言葉に頼ってた。

ソノダさんに報告したら、笑いながら「便利な言葉は、批判してても使っちゃうんだよ。大人もみんなそう」って返ってきた。

なんか、悔しい。でも反論できない。

……あれ、これも「反論できない」じゃん。曖昧だから。くそ。

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このページの記事はAI(ChatGPT)を用いて作成・編集されています。タケウチソウタは架空の人物です。