タケウチソウタ(高2)
タケウチソウタ
ソノダさんが10本選んだあと、「タケウチも書く?」って降りてきた。書く。
言っとくけど、俺はこの研究室の日記に12回出てるだけの高2で、サイト全部は読んでない。長いやつは飛ばす。たぶん5000字超えると、リアルに集中切れる。だから、読んだやつの中から、読みながら止まった10本を選ぶ。
あと、自分の書いた回も入れる。だって普通、自分のが一番好きだろ。
ソノダさんは「翻訳できないことば」とか「広告コピー」とか、大人っぽい話を選んでた。俺はそれ以外を選ぶ。住み分け。
タケウチソウタの日記 #8
俺の。文化祭の翌日、体育館の壁から「絆」「青春」「全力」のスローガンを剥がす作業の話。剥がした後の壁に、四角い影だけ残る、ってやつ。
自分で書いといて言うのもなんだけど、これがいちばん「自分の言葉で書けた」回。書いた日、家で晩飯食ってる途中で、なんか涙出そうになって、トイレ行った。そこまで思い入れあるとは自分でも思ってなかった。あの四角い影、けっこう長く頭に残る。
会話劇/ミスドで、サカモトと親友
サカモトと親友の話。ミスドで「分かる、けど、いつでも、いいよ」って言い合うやつ。
これ、書いた人どこから盗み見たんですか?って感じ。サカモトはうちのクラスじゃないけど、似たやつなら隣にいる。会話劇って苦手なんだけど、これは最後まで止まらなかった。あと、ネタばらしのページもセットで読むと、書いた人がどれだけ計算して書いてるかわかってちょっと怖い。
イシカワケンタロウ/吸う人の横に座る #3
イシカワさん(健康管理の人)の禁煙ポエム5部作の3つ目。「あなたのため」って言葉が、誰の口から出るかで意味が変わる、というのを淡々と書いてる。
俺の日記#6(親が「あなたのため」って言うやつ)と話してる気がする。看護師の人、書ける人だな、と思った。お父さんお母さんに読んでほしい、けど読まれたら逃げ場ない、って類の文章。
タケウチソウタの日記 #12(最新回)
俺の最新。LINEのアルバムが、勝手に薄くなる、という話。台湾から帰ってきて、夜市の写真を「いいね」する人の数がどんどん減って、ある日からアルバムを開かなくなった。
書いてる時、まだ一週間しか経ってないのに、もう薄くなり始めてた。書きながら、書くと余計に薄くなる気がして、何度か止めた。止めて、また書いた。書き終わったあと、もう一回アルバム開いてみたら、写真の並び順が変わってて、なんか、もうそれだけで結構きた。
全文を読む | 旅行本編:#10 台湾、マジで楽しかった
タケウチソウタ/肩を貸される側から(17歳)
俺の。サブシディアリティ特集に紛れて入れてもらった。母さんが「子の宿題にどこまで赤ペンを入れるか」を書いてたから、書かれた側として返事を書いた。
出したあと、ハヤシさん(論文)から「これ、肩を貸される側の貴重な記録」って言われた。書いた瞬間まで、これが「記録」だとは自分でも思ってなかった。書く前の人間の言葉が、書くと記録になる。あれ、不思議な作業だった。
全文を読む | 母の側:子の宿題に、どこまで赤ペンを入れるか
タカハシセイイチ/マネー見出しの解剖 #2
タカハシさん(家計の人)のマネー記事解剖シリーズの2つ目。「素人でも勝てる」って煽り文句を、独立系FPが内側から解体する。
親がよく見てる動画で連発される言葉なので、家で「お父さん、それ素人を煽ってるからね」って言うとキレられる。エッセイ越しに援護してもらってる気分。煽りに乗って大失敗した友達のお父さんの話、頭に浮かんだまま読んだ。
タケウチソウタの日記 #9
俺の。図書館で雨宿りした日、本の残りページが見えるってことが、急にすごいことに思えた、みたいな。
書いた時はわりと普通の感想のつもりで、後から「これ、けっこう静かだな」って気づいた。読み返すと、俺、こういう時のほうが書ける気がする。やかましいテンションで書くより、雨で時間が余ったときのほうが。
アンドウユイ/認証評価と学生参画について、教務の立場から
アンドウさん(教務)の認証評価エッセイ。大学が「学生の声を聴きました」って制度的に言うやつの中身を、教務側から見せる。
「アンケートに答えました」「で、なに変わった?」っていつも思ってる側からすると、構造が全部見えて気持ちいい。教務側の人も困ってるんだ、というのが救いだった。「やっぱあれ意味なかった」と言ってくれる大人が一人いるだけで、ぜんぜん違う。
一人称+断片対話/最終コマ、塾の講師室で
塾講師のケイの話。塾の講師室の最終コマっていう、生徒からは絶対見えない場所が舞台。インスタの「ケイさん」と塾の「ケイ先生」が、最初の一行を書きあぐねている、という冒頭で、もう完。
塾の先生のインスタを見てる側として、これは反則。書いてる人、たぶん塾の先生やってる人だな、と思って、ちょっと怖くなった。同じ人物の別の顔、っていう構成が刺さった。
会話劇/深夜のタクシー、運転手と乗客
会話劇シリーズの一本。深夜のタクシー、運転手と乗客の話。
会話だけで進む形式って、俺、長いと飽きるんだけど、これは飽きなかった。「お互い様」って言葉が、最後に意味を変えて戻ってくる。それだけ。それだけなんだけど、それだけで持つ。タクシーの運転手って、しゃべる人としゃべらない人がいるけど、これはしゃべる側。
10本に絞れずこぼれた5本。順位はつけてない。
ソノダさんの選書と俺のと、見比べてほしい。同じサイトの同じエッセイ群を、36歳の比較文化学修士と16歳の高校生が読むと、こんなに違う。たぶん、両方とも合ってる。
ソノダさんは「英訳を並べて全部却下する型」が好きって言ってた。俺は「あなたのため」が出る型が好きらしい。書きながら自分でも気づいた。共通点があるとすれば、たぶん「言葉が誰の口から出てるか」が見える文章を選んでること。それくらい。
あと、サカモト。サカモトが選ぶ10本、絶対面白いと思う。書かないだろうけど。
ワタナベさんも、たぶん書いてくれる。今度コメダで会ったとき頼んでみる。あの人、若い頃から会社の言葉に疑問持ってた人だから、選書したらたぶん俺と半分くらい被る。
2026年5月 タケウチソウタ(高2)